タヌキの乱闘 ？！

今晩も暗くなってから
フードを用意した

「チチチ」と舌打ち音をさせ
廊下の窓から目をこらした

待てど来ない
音がした、と思ったら
小枝が落ちる音

長い待ち時間
でも２０分ほどなんです

闇と静寂は
ながーい長い時間を教えてくれる

その間、イブは死んだのだろうかと
思ったり。。。

そのうち
「カリッ」
下の石のフード付近からの音
急いで廊下を歩きガラス越しに
電池のきれかかったライトを
そっと当てる
い無い？！

廊下のきしむ音が
神経質になった誰かを刺激したのでしょうか
忍者戦法ですか。。。

シーン
シーン

やがてフードをかこむように
足音があちこちでする
けれど
フードには近寄ってこない。。
？？？？

そのうち上の石付近から
「カリッカリッカリッカリッ。。。」
思い切って食欲に身をまかしたお方がいました
誰？

電池がすっかりなくなったので
間接照明のトイレの灯りを点けると

多分、イブちゃん、でしょう
坂の下のイブだったら
端正な横顔を見せてくれるのだけれど

あたりを気にしながら
横をむくけれど
トイレからの洩れ灯りではよくわかりません

しかしその気にしながらの
食べ方はイブちゃんしかいないし
わたしの「チチチ」という舌打ち音に
信頼感を寄せて食欲に身を負かすのは
イブをおいていません

見られると不安でたべられないでしょうから
わたしはイブの無事がわかったので窓からはなれました

少したってから窓のない家の西側の外で
「ガガガー」という怒鳴り「音」と
砂利が跳ね、何者かが争っている音がしました

そのうち家の横の空き地の草むらで
本格的な獣の争う「ガガガー」「ガガガー」といううめきが続きます

わたしはタヌキの決闘だと感じました。
犬とタヌキだったら
犬は吠えるでしょうから

こんなところで争われては
近所のひとたちにわかってしまう
はやくなんとか止めさせなければと
閉めていたトタンの雨戸を開けて音をたてました
そして出て行って街灯を点けたり消したりしました
静かになったのです

そうか。。。
この間見た白いタヌキは
他のシマからきたタヌキだったかもしれない

だから今晩闘っていたのは
イブとその白タヌキだったのかも。。
と勝手に思っています
寒くなって食べ物の獲得が容易ではないから
争いが起きるのでしょう

通いの熊でなくってよかった